走幅跳を理解してもらうために~松田コーチから保護者の皆様へ~

 

 函館CRS陸上の保護者の皆様へ、標題にあるように走幅跳の練習に参加している保護者の皆様は必ずお読みくだされば幸いです。自分の子どもが記録が伸びない等悩んでいる方もいらっしゃるかと思うのでコーチの立場からお話したいと思います。

1 函館CRSの走幅跳のコーチになって
2023年4月道南陸協の理事である私は、理事会終了後函館CRSの保護者から次のようにお願いされました。「窪田さんが逝去して、CRSに幅跳を教える先生がいなくなったので、松田先生に是非お願いしたい」と。その時、私は帯状疱疹で右足がかなりの重傷で歩くのもままならない状態でした。そのことを話しますと、先生は口だけでお願いします。用具等も保護者でやりますと心強い話がありコーチを引き受けました。この1年間は、CRSの保護者の皆様には大変助けられました。心より感謝申しあげます。私は、函館千代台陸上競技場がまだ土のグランドの時、走幅跳で7m15を跳躍しました。この記録は、約40年間破られませんでしたが、城山君が函館大有斗時代に破られました。また、三段跳では国体道予選(大学3年時)に14m72を跳躍し優勝しました。現在も三段跳では、春季と道南選手権時に跳躍した記録は破られていません。これが私の過去の記録です。松田先生は、何をやっていたのですかと保護者から聞かれたのでお答えしました。

2 走幅跳で記録を伸ばすにはについて
走幅跳は、単純な種目です。「走って跳ぶだけの種目です」単純だからこそ、記録が伸びないのです。過去に7m98の世界記録を樹立した北海道が生んだ偉大なジャンパ-である南部忠平先生の記録は、実に36年間破られませんでした。走幅跳とは、助走-踏切-空中姿勢-着地から成り立っています。走幅跳で記録が伸びる・伸びないとは、何を言ってるかというと、助走でスピードを落とさないで踏み切れるかということになります。子ども達は、ただ走っているだけ(助走練習)は幅跳の練習じゃないと思っていますし、保護者の皆様もそのように思っている方も多数いると思います。

この助走練習を根気よく松田先生の言うとおり実践した子は必ず最後には、良い記録を絶対だせます。子どもさんが「今日の幅跳の練習つまんなかった。ただ走って終わっただけだもの」といったらそうなんだということではなく、ここを辛抱強くやらなければ絶対強くなれないんだと親御さんが子どもにいってやるくらいでなければなりません。5/1急遽仕事を半日休んで、夕方練習に行きました。助走練習から短助走での跳躍、そして、全助走での跳躍を実践しました。驚いたことがありました。ある男の子でしたが、助走の走りが前と全然違う走りをしていた子がいました。そして、素晴らしいスピード感で跳んでいました。この子は、まだ4m跳べませんでしたが、この助走の練習をしっかりやれば、秋には4m50は軽く跳べるようになります。そして、大方の児童は、助走練習中「おしゃべりばかりして、集中しておこなっていない姿もみうけられました」これは、真剣にやっている人の邪魔になっています。自分の子が跳べないのは、何故かという質問は、助走練習をどれだけ真剣に取り組んでいるかにかかっています。もう少し簡単にいうとスピード感のある助走で踏切り板までスピードが落ちなければ素晴らしい記録が絶対でます。

保護者の皆さん、千代台に来て高校生・中学生の練習を一回でも見てください。幅の練習で助走練習を何回もやっている姿がありますか。だから道南の中学・高校生は幅跳の記録が伸びないんです。
ただ一人CRSで私の指導を受けた男子生徒は、CRSに入ったとき4mをとぶのがやっとでしたが、中学3年で6mを超える様になりました。それは助走の重要性を熟知しているからです。
何回も言いますが、幅跳は助走が命です
もう一つは、反対の足を上にあげる力と腕の使い方です。(これは、助走が上手に出来たらでいいとおもっています)
今年1年で子ども達が私の事を信じて練習しても記録が伸びなかったら松田の責任ですから、責任をとって辞めます。

3 強くなりたいなら自分も汗をかこう
今、子ども達は幅跳の練習で保護者と松田が幅跳ができる用意をしてから、子ども達がスパイクを履いて練習に臨みます。どこの小学校でもこんな過保護なことしていたら絶対子ども達は人間的に成長しません。今度から、子ども達に砂の起こし方、ならし方を松田と保護者が伝授して、幅跳の練習をしたいと思います。砂をおこすことは、どんなに大変かを身をもって体験することが、人を敬うことに繋がるし、「やらされている感」から「強くなりたいから自分のことは自分で」に変わってこなければならないと思います。

4 結びに
秋にCRSの子ども達は走幅跳で自己記録を続出し、みんな笑顔が素敵な選手であるよう祈っています。

函館CRS副校長・道南陸上協議協会理事
函館短期大学名誉教授 松田 賢一